導入事例
smilesurvey for Salesforce
Salesforceの顧客情報にデータ連携
株式会社 日本食糧新聞社 様
Salesforceを軸とした展示会の運用管理
顧客接点創出の鍵をにぎるアンケートデータの活用
1943年1月1日に創刊の日本食糧新聞を発行。また食品業界に関する月刊誌、書籍の企画・制作を行なっています。
惣菜・デリカ・弁当・中食・外食業界の業務用専門展「FABEX(ファベックス)」に代表される展示会事業から料理講習会、惣菜メニュー提案などのセミナーや料理教室なども実施しています。さらには食品に関わる地域振興、販路開拓のソリューション提供と、まさに食品業界全体を多方面から牽引している企業です。
今回はスマイルサーベイ導入の背景と効果についてビジネスサポート本部の上野峰志さまにお話を伺いました。
はじめに御社の事業内容について教えてください
上野さま:
弊社は食品業界の専門紙として1943年(昭和18年)に「日本食糧新聞」を創刊しました。もともとは当時の農林省の外郭団体が発行していましたが、戦後は民営化されて現在に至ります。
事業の多角化から中食・外食業界の業務用専門の展示会「FABEX(ファベックス)」を1998年に初めて開催しました。現在では展示会は東京・名古屋・大阪の3都市で開催されています。私はこの展示会を担当する部署に所属しています。
FABEX(ファベックス)はどのような展示会なのでしょうか
上野さま:
「HMR/MS」と言う市場をとらえた展示会です。
Home Meal Replacement = 家庭料理に代わる食事、Meal Solution = 食事の問題の解決策提供、の意味でアメリカのフードサービス市場で生まれた概念です。簡単にいうと、HMRとは家で食事を作るかわりになる食品やサービスで、日本だとお惣菜やお弁当というものが該当します。MSとはもう少し広い範囲で、食事の問題を解決するために提供されるサービスのことです。
お惣菜やお弁当を買ってきて家で食べるシーンがあると思いますが、それを日本では専門用語で「中食(なかしょく)」と呼びます。レストランなどで食事する「外食」、家で調理して食べる「内食」、そしてその中間にあたるのが「中食」になります。
お弁当屋さんやコンビニも「中食」ですね
上野さま:
はい。スーパー、コンビニ、デパ地下などで売っている調理済みの食品以外にも、デリバリーも「中食」に含まれます。
10兆円の市場規模と言われていて、コロナ禍が後押しした背景もあり外食業界も中食へ乗り出しています。業界の垣根がなくなってきている今、市場拡大がますます進んでいる分野です。
展示会にはどのような企業が出展されるのですか?
上野さま:
業務用の食品・食材、容器、機械など専門に取り扱う企業が出展社になります。ほかにもたとえば清掃用品、衛生資材、インテリアやユニフォーム、ITシステムなど、中食・外食事業者に提案できる商品・サービスを提供する事業者が出展しています。中食・外食・スーパー等のバイヤーに来場していただき、出展社とのビジネスマッチングを生み出す場所としての展示会です。
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課題
- Salesforceを軸に社内の業務を整理したい
- 年1回開催する展示会に関わる煩雑な業務を効率化したい
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検討
- アンケートデータが連携できるアプリやサービスがなかなか見つからない
- 決めてはスマイルサーベイのサポート面
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効果
- データ連携を活用して手作業を大幅削減
- アンケート活用して新たな顧客接点の創出へ
課 題
Salesforceを軸に社内の業務を整理したい
出展社とのやりとりが頻繁に発生する業務フロー
御社で抱えていた課題はどのようなものでしたか?
上野さま:
展示会での運用は、出展社管理や来場者管理をエクセルをベースでやっていたのですが、限界がありました。
というのも展示会までには常にデータの更新が発生します。
運営会社や施工会社などの外部の協力会社様との情報共有が不可欠なのですが、お互いに管理しているデータがそもそもズレていたり間違っていたりするので「データのどこが更新されているんだっけ?」「どれが最新のデータだっけ?」と毎回確認が発生します。
それが出展社の数だけあるのでかなり管理が煩雑でした。
企業情報の一括管理を目的に弊社では2009年にSalesforceを導入しました。
それまでは部署別に顧客管理をしていたため、Salesforceのデータを中心に業務整理をして立て直したかったのですが、既存業務のフローを変えてしまうと業務が回らない懸念がありました。担当者も通常業務で手一杯だったり知識不足でできなかったり。
実際の業務に落とし込むとなると難しく定着が進みませんでした。
いろいろなSFAがある中でなぜSalesforceを導入したのですか?
上野さま:
展示会の運営に必要な要素を実現するためにはカスタマイズが必要ですが、通常のシステムだと修正があるたびに開発費がかかってしまうという問題がありました。その点でSalesforceは変更を前提とした運用にもノーコードで柔軟に対応できるため導入を決めました。
現在Salesforceは具体的にどのような場面で利用していますか?
上野さま:
出展社に提出してもらうデータをSalesforceに集約してデータの受領が可視化できる状態にします。もちろん営業情報の入力もSalesforce上の顧客データにまとめます。
出展社には展示会の招待状を郵送するのですが招待状のリストは最新のデータをもとにSalesforceでレポート化して配送業者に共有しています。
検 討
Salesforceとデータ連携できるアンケートツールの必要性
どのような内容のアンケートを実施していますか?
上野さま:
以前は、出展社の企業には紙のアンケートを会場で配布してその場で回収。それを手作業で集計していました。
一方の来場者用アンケートはメールで案内を送って回答いただいていました。来場者用のアンケートはアンケートツールで作成したものを使っていました。
内容としては出展社へのアンケートでは展示会の成果や満足度をについて質問しています。同様に来場者にも来場した目的や会場のイベントなどについてのアンケートをとっています。
データ連携可能なアプリやサービスはすべて試したうえで検討
スマイルサーベイを検討するに至るまでの経緯について教えてください
上野さま:
個人的にはSalesforce導入初期からSalesforceにデータを入れるだけでは不十分で、そのデータを業務で利用できるようにするためには、Salesforceと連携できるアプリが必要だと思っており、当時からAppExchangeのアプリケーションは全部試していました。ただ、2009年ごろは今ほどアプリが充実していませんでした。
たとえば、アンケートは作れるが、選択肢による条件分岐や設問の出し分けなどの機能がなかったり、グラフ化ができないというように、当時はAppExchangeのアプリケーションでは機能が不十分なものだったので採用できませんでした。
それからスマイルサーベイを導入するに至るまでは、日常業務のかたわら要望を満たすツールがないかずっと探している状態でした。
それまで使っていた別の会社のアンケートツールはひと通りのアンケート作成から実施まで問題なく行えました。ただ、Salesforceへのデータ連携ができなかったため他のツールを検討したという経緯です。
ここ数年はようやくSalesforce連携ができて、かつやりたいことが実現できそうなアンケートツールが出てきたので検討したのですが費用が見合わず。
そうしているうちに、既存のアンケートツールと同等の機能があり、理想とするデータ連携ができるスマイルサーベイを見つけて、検討することになりました。
スマイルサーベイのサポート体制を評価
スマイルサーベイを導入していただいた一番の決めてを挙げるとすれば何でしょうか?
上野さま:
はい、一番はサポート面です。
こういったツールのベンダーって最初は営業担当者が出てくるものの、契約したら別の担当者に変わってしまって当初の話が通じなかったりすることがよくあると思います。
使っていくうえで「アンケート送信の締切が迫っていて、フォームを作成している最中に、ツールが思ったように動かないので、いますぐ解決したい」といったことがあります。
アンケートという特性上、開始までは期限が決まっています。「やってみたらできない」って一番困ることですよね。そこでやはり直接サポートしていただけるのはとても助かります。
効 果
定型業務を削減し新たな事業機会を生み出していく
スマイルサーベイを導入して具体的にどのようなことに活かしていますか?
上野さま:
まずアンケートの回答データとスマイルサーベイの回答データを紐付けます。
アンケートのキャンペーンを作成して「キャンペーンメンバーの状況」で、「回答済み」と「未回答」を設定し、アンケート対象者をすべて「未回答」で登録しておきます。アンケートのリマインドを送りたいタイミングで、スマイルサーベイの回答データが紐づいたメンバーのレポートを作成し、状況を「回答済み」に更新します。未回答者だけを抽出すれば同一のキャンペーン内でアンケートのリマインドまでが完結します。
あとは、Account EngagementやSalesforceのリストメールで、キャンペーンメンバーの状況で「未回答」を指定してあげれば、確実に未回答の相手だけにリマインドが可能になります。
以前は、アンケートの回答済みデータをアンケートシステムから出力し、アンケート対象者のデータもSalesforceやメール配信ソフトから出力して、エクセル上で突合し、再度配信ソフトに入れて送信…という作業がありましたが、それらがまったく不要になり、Salesforce上の操作だけで完結するようになりました。
今後どのような場面でスマイルサーベイを使っていきたいですか?
上野さま:
今のところはまだ機能を100%生かし切れていないと感じています。
今後はアンケートを軸にして日常的に顧客接点を作りたいと思っています。
年に1回の展示会だけではなく、なんらかのアトラクションを用意して弊社のイメージアップにつなげていきたいです。
たとえばこれまで展示会に参加したことがある企業だけではなく、まだ接点がない企業の方にもアンケートをとってリード獲得につなげたり、アンケート結果をホワイトペーパーなどの資料として活用したり、アンケートを起点にして新たな客層を誘導するようなイメージです。
新たな顧客接点の創出へアンケートを活用
将来の展望についてお聞かせください
上野さま:
アンケートを軸にしてデータをどんどんリッチにしていきたいです。スマイルサーベイの会員機能をつかって、コミュニティ作りの第一段階としてのアンケートの活用も考えています。
Salesforceの導入は2009年と実に15年の利用実績があるなかで要望を満たすアンケートツールを探し続けていたという上野さま。それだけにデータ連携を軸としたこれからの展望を熱くお持ちでした。その中でも顧客接点の創出について重要視されており、アンケートの活用がポイントとなるのこと。これは業界や企業規模を問わず課題となりうるのではないでしょうか。実務に根差した貴重なお話をお伺いすることができました。上野さま、ありがとうございました。
会社概要
社名 | 株式会社 日本食糧新聞社 |
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事業内容 | 日本食糧新聞をはじめ新聞3紙、月刊誌、書籍、電子版などの定期刊行物・出版物の発行。展示会事業、会員事業、各種セミナー・研究会の開催。 |
設立 | 1946年12月28日 |
従業員数 | 127名(2022年9月末現在) |
URL | https://info.nissyoku.co.jp/ |