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顧客の声を聴こう

作成日 2022年4月21日 / 更新日 2022年4月21日

顧客の声を聴こう

顧客の声=VOC

企業は商品やサービスを購入なり利用なりしてもらうことで存続するため、その購入者なり利用者なりの意見や評価は貴重かつ重要なものです。そういった顧客の声はVoice Of Customerのイニシャルから、VOCとも表記されます。VOCに真摯に耳を傾け、冷静に受けとめる姿勢が、VOCを商品やサービスの改善に活かす意識が、つまり、VOCの収集と分析が企業の成長には必要です。

しばしば顧客対応はクレーム対応や苦情処理と受け取られがちですし、顧客の声は不満や文句のほうが大きく表れがちです。しかし、クレームは宝の山とも言われるように、それはそれで問題点の抽出や見直しに寄与する材料の集積です。ネガティブな声も含め、VOCと向き合える企業が競合に勝ち抜ける企業になりえます。

顧客の声=VOC

プル型・インバウンド型のVOC収集

企業にはよくカスタマーセンターやコールセンター、お客様相談室などと呼ばれる部署や窓口が設置されていて、たいがいその電話番号やメールアドレス、URLなどがパッケージやラベル、説明書やサイトに記載されています。それらを通して、VOCを受付けています。こういった受動的なプル型・インバウンド型のコンタクトセンター形式が多くの人がイメージするVOCの収集方法でしょう。

ただ、コンタクトセンターに集まる意見や評価は、VOCの一部や一面であることに留意しましょう。コンタクトセンターにはクレーム、つまり苦情や不満が多く寄せられがちです。受けて楽しいものではありませんが、問題点・要改善点の判明や検討に寄与します。ネガティブ要素や阻害要因は、SWOT分析でいえば「W」(Weakness)の工程、自社の弱みの理解と克服のために必要な情報です。

プッシュ型・アウトバウンド型のVOC収集

一方、SWOT分析の「S」(Strength)の工程、自社の強みの理解と伸長のためにはポジティブな情報が必要です。しかし、コンタクトセンターには好評や称賛の声はなかなか寄せられません。あっても、ネガティブな声にかき消されがちです。コンタクトセンターにはネガティブなVOCのほうが圧倒的に多いのです。

ポジティブ要素や促進要因を集積・把握するには、待っているだけ、受けているだけでなく、自発的・積極的にVOCを収集する必要があります。こういった能動的なプッシュ型・アウトバウンド型のVOC収集の代表が顧客満足度調査です。顧客を対象に商品やサービス、自社の取組みに関する評価を調査するのです。顧客満足のCustomer Satisfactionのイニシャルから、CS調査ともよく呼ばれます。

ただ、だからといってCS調査では好評や満足といったポジティブ要素だけを収集、注視するわけではありません。多角的な比較・分析のために両面からアプローチし、解消・改善すべきネガティブポイント、維持・増進すべきポジティブポイントを整理します。

ちなみに、SWOT分析の残りの視点、「O」はOpportunity(機会)、「T」はThreat(脅威)を指します。前者は自社にとってプラスに働く自社を取り巻く環境や要因、後者は逆にマイナスに働く周囲の環境や要因を意味しますが、いずれにしても外部環境の捉え方です。顧客(の声)自体は、「S」「W」の視点で捉える内部の存在・要因です。

この記事のライター

石原公英

石原 公英 (フロンティアマインド代表)

1965年生まれ。
新聞社系総合調査会社でリサーチャー、広告代理店系マーケティング会社でアナリスト、東証上場マーケティングリサーチ会社でマネージャー等を経て、2020年12月フロンティアマインド合同会社設立。

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