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【第2回】
ES調査のアンケート項目の要諦
作成日 2022年1月13日 / 更新日 2022年1月13日
従業員の仕事や会社に対する意識や満足/不満感を把握する調査は「従業員満足度調査」、また"従業員の満足感"の英訳"Employee Satisfaction"から「ES調査」とよく呼ばれますが、聴取の視点や指標は満足度に限りません。そこで、広くは「従業員意識調査」とも呼ばれます。
ES調査の聴取項目は、大きくは3つの領域に分けることができるでしょう。
従業員の立場・視座を捉える
1つ目は従業員本人に関する事項です。性別、年齢・歳代、入社年度・在籍年数、所属部署・部門、役職・管掌、担当職務など。分析する際の軸となる項目です。ただし、あまり細かいところ、就労とは直接関係のないプライベートなことまで踏み込んだり、回答者が特定できるような聴き方をしたりすると誠実な回答が得られない懸念があるので、分析・検証に必要な範囲や程度にとどめましょう。
仕事・業務に対する意識を捉える
2つ目は仕事・業務に関する事項です。職務に対する態度や姿勢、職務の満足度、職務遂行上の課題・要改善点、上司や同僚との関係性・コミュケーション、自身の成長・期待やキャリアの展望など。なお、具体的な人事評価や人員配置はES調査の直接的な狙いではありませんので、職務変更や部署異動の希望(有無等)については、アンケート調査よりも個別の面談やヒアリングでの聴取・対応をお奨めします。
会社・制度に対する意識を捉える
3つ目は会社・制度に関する事項です。会社の事業方針や取組の賛意、会社の将来性や期待したいこと、教育・研修制度や福利厚生制度の評価など。なお、勤続/転職の意向は会社の(全体的な)満足度で代替することもできますが、愛着度を図るならばその意向も聴取したほうがよいでしょう。愛着度でいえば、株式購入意向度(上場企業の場合)や入社推奨度もその構成要素と考えられます。
分析・検証に必要な項目に絞る
聴取項目が多岐にわたり、質問数が多くなると、回答者への負荷が強まり、正確な回答が得られにくい、無回答が増えることが危惧されます。さらに、会社への心象を悪くする、不満を高める恐れもあります。これらの点からも、聴取項目は分析・検証に必要なものに絞りたいものです。
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この記事のライター
石原 公英 (フロンティアマインド代表)
1965年生まれ。
新聞社系総合調査会社でリサーチャー、広告代理店系マーケティング会社でアナリスト、東証上場マーケティングリサーチ会社でマネージャー等を経て、2020年12月フロンティアマインド合同会社設立。