導入事例
アンケートサイト「ani voice(アニボイス)」
契約者情報とアンケートデータを連携
アニコム損害保険株式会社 様
コミュニケーションとデータ活用を両立する契約者向けアンケートサイト「ani voice(アニボイス)」
ペットと飼い主に健康と笑顔を提供する「入って健康になる保険」を掲げるペット保険のリーディングカンパニー、アニコム損害保険株式会社。
自治体と連携した動物愛護の推進、AIを使った人とペットの双方向コミュニケーションのシステム、ペット保険のビッグデータを活用した商品開発、遺伝子検査による疾患リスクの研究と、グループとして取り組む事業は保険会社の枠に止まりません。
ペットを取り巻く現代社会のさまざまな課題に取り組み「より良いペット共生社会」の実現を目指しています。
今回はスマイルサーベイのアンケートシステムをベースにカスタマイズした新サービス「ani voice(アニボイス)」について堀江 亮さまと佐藤 詩織さまのお二人にお話を伺いました。
はじめに御社の事業内容について教えてください
佐藤さま:
ペット保険の会社です。弊社ではワンちゃんやネコちゃん、そのほかのどうぶつたちが笑顔で健康でいてほしいという思いから生まれた「入ると健康になる“予防型保険”」を掲げています。ペット保険のリーディングカンパニーとして現時点(2024年4月)で119万件以上の契約をいただいております。
堀江さま、佐藤さまの所属する部署について教えてください
佐藤さま:
わたしたちはR&D部に所属していて、リサーチ関連の業務だけでなく、ワンちゃんネコちゃんの健康管理に関わるサービスを作ったり、幹細胞を利用した新しい治療方法の検証や確立を進めていくといったプロジェクトにも携わっています。
堀江さま:
弊社の掲げる「予防型保険」というのはまず「ペットをいかに病気にさせないか」を考えるということです。そのための研究開発や調査を行っている部署がわたしたちの所属するR&D部です。
具体的には未然に病気などを予防する方法や、遺伝と疾患の関連性などの研究を行っています。
また、ペットは人間と同じ言葉を話すことができないので、いかにペットに負担をかけずに健康状態を判断するかを考えています。たとえば便を採取してその中に含まれる腸内フローラ(細菌叢)を調べることで、ペットたちに負担をかけることなく健康状態を把握することができます。
さらにはペットと人のコミュニケーションの可能性を広げるAI技術の研究も行っています。そういった研究には調査データも必要ですので、実際に保険に契約いただいている飼い主さまのお声をいただくためアンケートサイト「ani voice」を活用しています。
保険会社でありながら「予防」という観点にここまで熱心に取り組まれている企業はほかにはないのでは?
堀江さま:
わたしたちは飼い主の皆さまの "涙を減らし笑顔を生みだす保険会社" を目指しています。保険会社ですので何かあった際には保険金をお支払いするのですが、そもそもそういった事故や病気がない方が飼い主さまにとってもペットにとってもいいことですよね。保険金が支払われるということは辛い思いをされている方がいらっしゃると考えています。
アンケートシステム「スマイルサーベイ MYPAGE」をベースに立ち上げた新サービス「ani voice(アニボイス)」について教えてください
佐藤さま:
飼い主さまや、他の企業さま、そして弊社が一緒になってどうぶつたちとの共生社会を作っていきたい。その想いが形となったのが2022年に新規サービスとして立ち上げた「ani voice」です。アンケートシステムについて以前から会議で議題にはあがるものの実現されていませんでしたが、一昨年ようやく形にすることができました。
「スマイルサーベイ MYPAGE」をベースに「ani voice」のためのデザインを作成しデータ連携などの機能追加を行いフルカスタマイズしました。「スマイルサーベイ MYPAGE」は回答者専用の「マイページ」が設定できる製品です。回答者は自身のIDとパスワードで専用の「マイページ」にログインをして配信されたアンケートに回答します。
-
課題
- 差別化を図り価値を生み出すには?
- 契約者情報とアンケートサイトの連携
-
検討
- アンケートサイト「ani voice」にかける”熱意”の共有
- 要望を実現できるベンダーの選定
-
効果
- モニター登録者数が1年で1万人突破
- 「三方よし」実現に向けたサービスの手応え
- 「ani voice」は契約者と企業をつなぐ架け橋
課 題
他社との差別化を図り価値を生み出すには?
データ活用と自社の強みを掛け合わせて生まれる新たな価値
御社が認識していた課題とはどのようなことでしたか?
堀江さま:
近年、保険は健康増進型になるとともに、価格競争が激しくなりどんどん保険料が安くなっています。弊社ではその中でも選んでもらえるペット保険であるために、どう付加価値を生み出して差別化するべきなのか、常に考えています。
保険会社はさまざまなデータを持っていて、そのデータを使って新しい価値を生み出していくという流れが弊社だけでなく、保険業界全体で徐々に考えられ始めています。
わたしたちはペット保険を扱う保険会社であるため、ペットに関するデータを豊富に持っており、さらにはホールディングス体制をとっているため、保険会社単体では難しいいろいろな企業さまと連携ができることが強みだと考えています。
アンケートは以前からも実施されていましたか?
堀江さま:
はい。以前からご契約者さまにアンケートを取っていました。
しかしアンケートへの回答を希望される方も、希望されない方もまとめて実施しており、アンケートの対象を限定できていないことが課題となっていました。
検 討
アンケートサイト「ani voice」にかける”熱意”の共有
要望を実現できるベンダーの選定
アンケートシステムの導入にあたり他社比較しましたか?
佐藤さま:
機能開発を含めたアンケートシステムを提供する会社としてはスマイルサーベイさまを含めた3社ほど検討していました。ただスマイルサーベイさま以外は弊社で持っている保険データとの紐付けが難しいという問題がありました。また、そういったサービスを導入せずに自社で開発する話も出ていましたね。
複数候補がある中でなぜスマイルサーベイを採用いただいたのでしょうか?
堀江さま:
弊社は「やりたいこと」にかける想いが非常に強いため、システム開発も社内で完結することが多く、社外に依頼することは少ないのです。
外注した場合、こちら側の要望を100%叶えてもらうのが難しいためです。
だからと言ってアンケートシステムが数多くある中で、コストと時間をかけてゼロからの開発はないだろうと。とはいえわたしたちの想いも譲れず、検討を続けておりました。
スマイルサーベイ導入の一番の決め手を挙げるとすれば何でしょうか?
佐藤さま:
スマイルサーベイの担当者さまとのお話の中で、単にシステムを提供するだけでなく『「ani voice」を一緒に作り上げていこう!』という姿勢で進めていただけたことがとても印象的でした。それが決め手ですね。
堀江さま:
R&D部はシステム開発に特化している部署ではないので、おそらくシステム開発者の方から見ればファジーな要件で依頼していたと思います。そのように、まだ詳細が不明確な要望に対してもしっかり汲み取っていただけるのが助かっています。
効 果
「ani voice」で得たデータを中心につながる契約者と企業
実際に使ってみて機能面で感じたことをお聞かせください
佐藤さま:
アンケートを作る時には、アンケートの形式を変えたり、分岐を設定したり、いろいろとやりたいことが出てきます。わたし自身、こういったシステムの操作があまり得意ではないのですが、直感的でわかりやすく最終的にきちんとアンケートが作成できるところがいいなといつも思っています。
また、ご契約者さまは主にスマホでアンケートに回答いただくのですが、回答画面がシンプルで操作しやすいことが回答のしやすさ、ひいては回答率の高さにつながっていると思っています。
アンケートの途中で回答が面倒になってやめてしまうということが起きずに最後まで回答いただけているのかなと思います。
堀江さま:
最終的にはアンケート結果を担当者が分析するのですが、アンケートの完了を待たずにアクセス数や離脱率がいつでも確認できるところがいいですね。
導入後のサポートについてはいかがでしょうか
佐藤さま:
「ani voice」の運用を開始してからも開発時と同様に2週間に1回の頻度でミーティングをさせていただいています。わたし自身はシステムについて詳しくはないのですが、弊社がこれからやっていきたいことをちゃんと形にしてくださるのがとても助かっています。
システム開発の担当者さまと直接ミーティングでお話しできるうえ、都度こまかく内容を確認いただけるからこそ形にしていただけると感じています。本当にシステムについては疎いため、申し訳ないなと思いつつ…感謝の気持ちでいっぱいです。
具体的に大きく変わった点はどのようなことですか?
堀江さま:
システム導入まではご契約者さまのご意向に関わらず、回答をお願いしていました。「ani voice」でアンケートにご協力いただける方だけにお願いできるところは大きく変わったところかなと思います。
回答者は保険のご契約者さまなので、ご契約者さまにこの先も保険を継続していただくためにも、不必要な負担はかけたくないのです。そのため、事前にご契約者さまの意向と属性をしっかり確認した上でアンケートを実施できるのが「ani voice」導入前後の大きな違いです。
三方よしの実現につながるサービスの手応え
2022年4月から「ani voice」を始められて順調にモニター数を伸ばしています。手応えはありましたか?
佐藤さま:
ご契約者さまであればどなたでも「ani voice」のモニターに登録いただくことができます。その中でアンケートをお願いしていますが、回答率の高さや、自由記述の「内容の濃さ」を実感しています。
わたし自身はアンケートを通してあらためてご契約者さまのどうぶつへの愛をすごく感じました。回答内容には「もっとどうぶつのことを学びたい」や「どうぶつとの共生社会に貢献したい」というものがあり、どうぶつへの想いが溢れていました。
これはわたしたちだけではなく、調査をご依頼いただく他の企業さまも同じように感じられています。調査結果をお渡しするとどの企業さまもその内容を見て驚きますし、喜ばれますね。こういったご契約者さまの声を拾い上げて生かしていく。このサービスを始めてよかったなと感じます。
現在は1万人を超える方がモニターとして登録されています。何がここまでモニター数を増やす要因となったのでしょうか?
佐藤さま:
ご契約者さまへの「ani voice」のご案内はもちろんのこと "会員数が○○○○人になりました" というようなお知らせのメールを送ったりしています。また、"こんな調査をしました!"というものをご契約者さまにお知らせする中で、サービスに共感いただける方が増えてきたことが要因と考えています。
堀江さま:
ご契約者さま100万人に対して1万人は1%ですが、数としてはとても大きいと思っています。わたしたちの努力というより、ペットを飼っている方の温かさによって回答者が増えていると考えています。どうぶつ好きの方は非常に協力的でやさしい気持ちを持っている方が多いですね。
佐藤さま:
アンケートの最後に自由記述で設問を設けているのですが、その回答内容を見るたびに、わたしたちの意図するところがご契約者さまの思いとマッチしているなと感じることが多々あります。「アンケートへの回答を通じて考えるきっかけになりました」「勉強になりました」「参考になりました」と言ったうれしいご意見をいただけています。
モニター向けアンケートではインセンティブ目的の回答も多く集まる傾向がありますが「ani voice」はいかがですか?
堀江さま:
「ani voice」にもインセンティブはあります。アンケートに回答すると1ポイント1円で利用できるポイントが付与されます。ペットの関連商品との交換ができるほか動物愛護・保護団体へ寄付が可能です。
ポイント寄付を通じて、動物福祉をもっと身近に感じていただき、気軽に社会貢献できると知っていただきたいという思いからご用意しているものです。
佐藤さま:
元々「ani voice」のモニターにご協力いただく方は「参加を通して何かしらの学びがありそうだから」「ペット共生に役立つから」といったご自身の学びや社会貢献を目的に挙げる方がたくさんいらっしゃいます。
1つのアンケートで何か気づきだったり、勉強になるようなことがあればいいなと思ってアンケートを作成しているのでモニターさまからの評価はとても嬉しく思っています。
新たな顧客接点の創出へアンケートを活用
将来の展望についてお聞かせください
佐藤さま:
モニターの皆さまにアンケート結果をフィードバックするところをもう少し工夫できたらと考えています。サイト内のお知らせ欄に掲載する方法もあるのですが、目につきにくいのです。
ご回答いただいたアンケートの結果をパッとカンタンに確認できたり、モニターの方宛に直接コンタクトが取れたりするような機能開発も進めていきたいです。せっかく回答してもらった大切なアンケートなので、やはり何らかの形でモニターの皆さまに返していきたいですね。
その機能、ぜひ実現させましょう!
堀江さま:
アンケートにご協力いただけるモニターの方々が増えるのはわたしたちにとって嬉しいことであるだけでなく、お客さまにとっても学びや気づきの場になっており、調査を依頼されている企業さまにとっても利益になります。そういった良い循環を作ることが非常に大切だなと思っています。
こうしたWEB上のアンケートに限らず、今後はインタビューや座談会なども積極的に実施してペット飼育者のコミュニティを作っていければと思っています。これから先も「こんなサービスがやりたい」という要望が出てくると思うので、これまでと変わらず一緒に形にしていただければとてもうれしいです。
今やペットは、かけがえのない家族の一員。人と同様に万が一に備えるペット保険は重要性を増しています。アニコムグループは、人とペットがより長く、健康で一緒にいられる社会の実現へ向け、ペット保険の枠組みを超え、データ活用・予防サービス・新薬の開発など多岐にわたる事業に力を注がれています。
どうぶつを愛し、ペットを大切に思う飼い主にこころを寄せる企業の姿勢が共感を呼び広がっていく。
まさに「ani voice」は企業と契約者、そしてあらゆるどうぶつをつなぐ "やさしい心の輪" のように感じられました。そんなサービスに関わることができてわたしたちスマイルサーベイはうれしい気持ちとともに背筋が伸びる思いです。堀江さま、佐藤さま、貴重なお話をありがとうございました。
会社概要
社名 | アニコム損害保険株式会社 |
---|---|
事業内容 | 損害保険業 |
設立 | 2006年1月26日 |
従業員数 | 514名(2023年3月末現在) |
URL | https://www.anicom-sompo.co.jp/ |