カスタマイズ可能なセルフ型アンケートシステム

入電数の約20%をウェブフォームへ移行しオペレーター負担を軽減

株式会社 アイカムさま

株式会社アイカムは、保険業務に特化したコールセンター運営の豊富なノウハウを活かし、企業向けのコールセンター構築やコンサルティングを提供する専門企業です。東京・仙台・長崎・うるまと各地に拠点を構えています。また派遣サービスや損害保険代理店事業を展開。アウトソーシングやアシスタンスサービスを通じて、多様な業務支援を行っています。 

今回は、スマイルサーベイ導入の背景とその効果について、クレームサービスグループ インシュアランスチームの渡邊 望さまにお話を伺いました。

—— はじめに御社の事業内容についてご紹介をお願いいたします

渡邊さま:
株式会社アイカムは保険業務に特化した会社です。保険の加入から契約のメンテナンス、請求手続きまでワンストップで対応できるのが特徴です。

—— 渡邊さまの所属部署とその業務を教えてください

渡邊さま:
私の所属する部門では、保険請求の受付業務を担当しています。お客様からの電話を受け付けた後、社内のCRMに情報を登録し、それを査定部門へ引き継ぐのが主な役割です。私たちの業務は受付までで完了し、お客様と追加でやり取りをすることはありません。

24時間対応が必要なコールセンターの課題

入電の集中により問い合わせを対応しきれない問題

—— スマイルサーベイ導入前の課題は何でしたか?

渡邊さま:
保険業務は24時間365日対応が必要ですが、入電が集中するとすべての対応が難しいという課題がありました。電話が繋がらないことでお客様はストレスを感じるため、オペレーター以外の対応手段を検討しました。

また、私たちの部門ではお客様への架電をしてはいけない原則があります。1度の入電で聞き漏れなく対応ができないと、次の査定部門で必要な情報の共有がスムーズに行えないという課題もありました。

「人件費高騰」や「作業負担増加」を解決する新たな対応手段

—— これまでに他のウェブフォームの導入は検討されなかったのですか?

渡邊さま:
はい。これまでは、ウェブフォームの導入は具体的には検討してきませんでした。

ただ、近年の人件費の高騰で、24時間オペレーターが稼働することが厳しくなってきている状況がありました。特に夜間は、日中と比較してお問い合わせは少ないものの、対応は必要です。
従来のやり方では限界があると感じ、新たな対応手段の導入が必要だと認識するようになりました。

「お客様の利便性向上」を実現するために

—— スマイルサーベイ導入の最終的な決定に至るまでの経緯を教えてください。

渡邊さま:
私たちの業務の課題解決はもちろんですが、もっとも重視したのは、エンドユーザーであるお客様が困っていることを解決できることでした。

私はコールセンターのある仙台に勤務しておりますので、東京本社の担当者とWeb会議でスマイルサーベイの活用を通じてどのようにお客様の利便性を高められるかなどをプレゼンし、協議した上で導入を決定しました。

クレームサービスグループ インシュアランスチームの渡邊 望さま

100件以上の問い合わせをウェブフォームへ誘導

—— スマイルサーベイをどのように活用していますか?

渡邊さま:
お客様がお電話したタイミングで繋がらなかった際には、2通りの方法でウェブフォームへご案内をしています。
ひとつ目は、電話番号宛にSMSでURLを記載したメッセージをお送りする方法。ふたつ目は、お電話が繋がるまでの間に、IVR(音声自動応答システム)を活用してWEBフォームへご案内する方法です。
これにより、お客様自身が必要な情報を入力でき、査定部門へ迅速かつ正確に伝達できるようになりました。

オペレーターの「負担軽減」と「業務効率化」

—— スマイルサーベイ導入後、どのような効果がありましたか?

渡邊さま:
スマイルサーベイ導入後、以下のような効果が得られました。

  • 受電しきれなかったお客様への対応が改善された
  • オペレーターの負担が軽減され、通話内容の記録作業も削減された
  • 一部の問い合わせをウェブ対応へ移行したことで、オペレーターの配置を最適化できた

固定電話の利用者様も一定数おりますので、スマートフォンをご利用かつ年齢層の範囲は限られているものの、多くの方にウェブページをご利用いただけている状況です。

クライアント様やご利用用途にもよりますが、現在、全入電の約2割のお客様にウェブフォームをご利用いただいています。

運用フローの例

「人がやらなければいけない」常識が変わっていく実感

—— クライアント様や社内の反応などがあればお聞かせください。

渡邊さま:
はい。人を介さずにお客様が直接フォームに入力することで、情報の正確性が保たれる点が大きなメリットだと考えています。
例えば、オペレーターが電話でお客様の内容を聞き取り、登録する際には、内容を要約する過程で意図しない誤変換が発生してしまう可能性があります。そのため、正確性の確保という観点からも、ウェブフォームの活用には大きな利点があると感じています。

コールセンター業務ではこれまで、「対応は人でなければならない」という固定概念がありました。
ところが、実際にウェブフォームを導入してみると、想像以上に多くの利用者に活用される結果となり、「人でなければできない」という考えが和らいできていると感じています。

さらに、ウェブフォームの導入によって成果を上げたクライアント様の成功事例を聞いた他のクライアント様からも関心を持っていただくなど、広がりを見せています。

—— 固定電話の利用者が一定数いる中での課題はどのようなものですか?

渡邊さま:
固定電話の利用者にとっては、ウェブフォームの活用が難しく、完全な移行は現状では難しいと考えています。
しかし、スマートフォンユーザーの利用率は高いため、今後は、ウェブフォームへの誘導を軸にフローを改善するなどで、さらに利用率向上、業務の効率化を進める予定です。

—— 導入後の満足度や今後の課題について教えてください。

渡邊さま:
全体として、スマイルサーベイの導入には非常に満足しています。特に、100件以上の問い合わせをウェブ対応へ移行できたことは、大きな成果でした。

ただし、固定電話ユーザーへの対応や、さらなる利用促進については、今後も引き続き改善していく必要があると考えています。

昨今の人件費高騰と人員不足は、業界を問わず深刻な課題となっています。特にコールセンター業務においては、電話対応のニーズは根強いものの、利用者のウェブへ意識は年々変わりつつあります。問い合わせの窓口が電話しかない、また電話が繋がりにくい状況は、顧客にとって大きなストレスとなります。適切にウェブフォームを導入して、顧客が抱える課題とコールセンターが抱える課題、この両者を解決する、大変貴重なお話でした。渡邊さま、ありがとうございました。

会社概要
社名株式会社 アイカム
事業内容コンタクトセンターの運営コンサルタント
保険に関するコンサルタント
独自共済制度の構築・運営に関するコンサルタント
共済会の事務受託、及び、査定業務の請負
コンタクトセンターの自社内運営
保険会社の代理店業務
人材の育成・教育に関するコンサルタント、及び、研修指導
人材派遣・請負に関する業務
設立2002年4月1日
従業員数417名(2024年6月1日現在:パート社員等も含む)
URLhttps://www.aicam.co.jp/