株式会社 中国新聞社さま
中国新聞社は広島県を中心とする中国地方のリーディングメディアとして、日刊新聞の発行を主軸に多角的な事業展開をしています。
本社は広島市にあり、地域に密着した報道や情報発信を行っています。
今回は、スマイルサーベイ導入の背景やその効果について、メディア開発部長の石井さま、メディア開発局の明知さま、野坂さまにお話を伺いました。
—— はじめに御社の事業内容についてご紹介をお願いいたします
石井さま:
中国新聞社は、1892年の創刊から133年を迎えた広島拠点とする地元の地方新聞社です。
紙の新聞を長年発行していますが、近年は時代の変化に合わせて「中国新聞デジタル」や「このまち応援プラットフォーム たるポ」などサービスの提供にも取り組んでいます。
デジタル領域においても、少しでも多くの方に中国新聞社との接点を持っていただけるよう、さまざまな工夫を重ねています。
—— 具体的な業務内容を教えてください
明知さま:
私たちメディア開発局の主な業務はデジタル商品の開発です。
たとえば、ニュースサイト「中国新聞デジタル」や、中国地方の最新情報が1分でわかるニュースアプリの「みみみ」を開発、リリースしてきました。
また今回「スマイルサーベイ」との連携をさせていただいたプラットフォーム「たるポ」を昨年リリースしました。
またデジタル商品の特性上、1つの部署で業務が完結しないことも多いです。
例えばニュースサイトやアプリの運営には編集局とのやり取りも発生しますし、デジタルサービスの販促やデジタル広告の運用とも切り離せないため、営業部門とも連携しています。
各部署とやり取りをしながら仕事を進めていく点も、私たちの部署の特徴です。
1周年を迎えた「このまち応援プラットフォーム たるポ」の現状と活用事例

—— 「たるポ」には、どのような方が登録されていますか?
石井さま:
広島で展開しているサービスということもあり、主に中国地方にお住まいの皆さまに広くご登録いただいております。
また「地域共創プラットフォーム」をコンセプトにしていることもあり、さまざまな事業者さまにもご活用いただいております。
—— 現在の利用者数はどのくらいですか?
石井さま:
2025年5月初めの時点で、登録者数は26万3千人を超えました。
1年余りでここまで成長し、会員数は順調に増加していると感じています。
—— 利用者にどんなベネフィットがありますか?
石井さま:
たるポIDを1つ持っているだけで、さまざまなサービスが統合的にご利用いただけるメリットがあります。
さらに「たるポ」の中には「たるポポイント」というサービスがあり、ポイントを貯めていただくことで、デジタルギフトなどと交換が可能です。
記事を読んだり、日常的にログインしたりといったアクションに応じて「経験値」が貯まり、その経験値が翌月ポイントとして付与される仕組みとなっています。
そのため、比較的手軽にポイントを貯めながら、継続的にサービスをご利用いただける仕組みとなっています。
プラットフォームを通じて、確かな価値を利用者へ還元
—— 「たるポ」で得られるデータはどのような役割や活用方法がありますか?
石井さま
データとしては非常に幅広い情報を蓄積できるようになってきています。
例えば利用者の属性情報だけではなく、ログイン後にどのような記事を読んでいるか、ポイントがどのような商品に交換されているかなど、ユーザーの興味や関心をオンライン・オフライン問わず把握することができています。
スマイルサーベイの導入により、アンケートや懸賞サービスの情報も連携できるようになり、さらに価値あるデータになってきていると感じます。
これらのデータを活用し、商品やサービスのブラッシュアップを進めながら、ユーザーの皆さまにとってより使いやすいサービスを提供するために役立てています。
また、積極的な参加者が多いため、質の良いデータが集まることから、クライアント様からの依頼が増加しています。
さらに、「たるポ」を自社のプラットフォームとして活用いただける可能性を見込み、地元企業をはじめ、さまざまな企業に幅広くお声がけしております。
今後もプラットフォームをお使いいただける皆さまに、しっかりと還元できる形で活用していきたいと考えております。
顧客データベースと確実に紐づく形を目指す

—— スマイルサーベイを導入する前に、社内のどのような業務でどのような課題をお持ちでしたか?
明知さま:
以前から各種の応募フォームは運用していましたが、CMSやMAツールなど別システムの付属機能に過ぎなかったため非常に使いづらく、フォームの設定や運用が現場の負荷となっていました。
さらに集まったデータも分散し、一元管理できておらず、データ活用のボトルネックの一つにもなっていました。
—— 以前ご利用されていたアンケートシステムから変更をご検討された理由は何でしょうか?
明知さま:
先ほど述べた課題に加え、複数のシステムが混在することでアンケートが面に統一感がなく、利用者の体験としても一貫しないものになっていました。
また設問の分岐など基本的な機能の不足もあり、アンケートツールとして使い続けるには問題もありました。
「たるポ」の立ち上げ時期と重なったこともあり、顧客データベースにきちんと紐づいていく形を実現させることを重視していました。
—— 今回候補に挙がったアンケートツールは何社ありましたか?
明知さま:
御社含め、全部で3社の中から選定させていただきました。
—— 複数候補がある中でなぜスマイルサーベイを採用いただいたのでしょうか?
石井さま:
新たなサービス「たるポ」にアンケートデータが連携できるかどうかがもっとも重要な要件でした。
他のアンケートシステムも機能は優れているものの、長期運用の際のコストが障壁となっていました。
それに対して『スマイルサーベイ』は、高機能かつ直感的な操作性で、継続利用の際のコスト面でも納得できるものでした。
さらに担当者とのやり取りがスムーズで、パートナーとして伴走してもらえる信頼感もありました。
—— スマイルサーベイに決定された決め手は何でしたか?
明知さま:
大きく分けて、導入の決め手となったポイントは以下の3点です。
- 機能の拡張性
- 費用面のバランス
- サポート体制の安心感
機能の拡張性については、当初の課題が解決できそうな見通しがあり、今後必要になる機能にも、相談しながら柔軟に対応してもらえる安心感がありました。
また、費用面でも継続的に利用しやすい範囲であったことが、導入を後押しする決め手となりました。
80~90%の目標を達成、課題解決からさらなる活用フェーズへ

—— スマイルサーベイ導入後、どのような効果がありましたか?
明知さま:
現在、メディア開発局では各種懸賞企画を頻繁に実施しており、アンケートの作成業務を派遣スタッフにお願いしています。
スマイルサーベイを導入したことで直観的な操作ができるため、問題なく作業をお任せできています。
また他部署にも作成作業を依頼していますが、簡単なレクチャーのみで対応できており、その後の問い合わせもほとんど発生していません。
以前はデータが散乱することもありましたが、現在では統一感のあるアンケートが作成できるようになり、効率的に運用できています。
さらに当初の要件として設定していたID連携がしっかりできるようになったため、データの一元管理が実現しました。
また、朝刊紙面の投書欄や、主に中高年の読者の方を対象とした「脳活」コーナーでは、QRコードを掲載してフォーム経由でも応募できるようにしたところ、応募数が増加しました。あらかじめ登録しておいた住所がフォームに自動反映される手軽さに加え、郵便はがきの値上げも重なり、読者にもメリットを感じてもらえたようです。
従来はデジタル領域での接点を持ちづらかった新聞読者からも情報を取得できるようになり、より多様な読者層の声を把握できるようになった点も、大きなメリットと感じています。

—— 導入前後で御社の課題は解決できましたか?
石井さま:
当初課題として掲げていたものに関しては、おおむね解決できたと感じています。
スマイルサーベイを導入したことで新たな要望も生まれてきており、それらを踏まえると現時点で80~90%は目標を達成できたと考えています。
また、今後の活用次第でさらなる成果につながる可能性も感じており、まだまだ成長の余地があると実感しています。
—— 今後はどのような取り組みを検討されていますか?
明知さま:
中国新聞グループでは、住宅展示場や子ども向けのアスレチック施設なども運営しており、それぞれ予約制での利用となっています。
こうしたサービスの予約時に「たるポID」を活用できれば、お客様にさらなるメリットを提供でき、グループとしても顧客との接点を広げられると考えています。ぜひ実現に向けた協議を進めていきたいです。
また、会員さまが契約しているコースと連動したアンケートの実施にも取り組みたいと考えています。
顧客データベースと確実に紐づいた形での情報管理が可能となり、業務の効率化とデータ活用の精度が大きく向上した中国新聞社さま。操作性やデザインの統一といった課題も解消され、社内外でのアンケート活用がスムーズに進むようになりました。今後は、グループ会社が運営する施設での展開や、たるポIDを活かした新たな顧客接点の創出など、さらなる活用の広がりが期待されています。石井さま、明知さま、野坂さま、ありがとうございました。
会社概要
社名 | 株式会社 中国新聞社 |
---|---|
事業内容 | 日刊紙「中国新聞」の発行、デジタルメディアの運営、書籍の刊行、イベントの主催など |
設立 | 1892年(明治25年)5月5日 |
従業員数 | 400人(2024年1月1日現在) |
URL | https://chugoku-np.com/ |